プロジェクト管理ツールを選ぶときは、機能の多さだけで判断するのではなく、自分たちが日々どの情報を確認したいのかを整理することが大切です。特にWeb制作、デザイン、映像制作などの制作チームでは、タスクの進捗だけでなく、スケジュールや工数、案件コストまで確認したい場面があります。
- プロジェクト管理ツールを選ぶときのポイント
- 代表的なプロジェクト管理ツール5つの特徴
- 制作チームで確認したい進捗・工数・予算の考え方
プロジェクト管理ツールとは
プロジェクト管理ツールは、案件やプロジェクトに必要なタスク、担当者、期限、進捗などをまとめて管理するためのツールです。チームで同じ情報を共有することで、「誰が何を担当しているか」「いつまでに何を終えるか」「現在どこまで進んでいるか」を確認しやすくなります。
ただし、プロジェクト管理ツールごとに得意な領域は異なります。シンプルなタスク管理を重視したツールもあれば、ガントチャートによる工程管理、複数プロジェクトの横断管理、工数や予算の管理まで対応するツールもあります。
プロジェクト管理ツールを選ぶ5つのポイント
1.ガントチャートとカンバンを使い分けられるか
制作案件では、PMやディレクターは案件全体のスケジュールを確認し、担当者は自分のタスクを確認するというように、立場によって見たい情報が異なります。
ガントチャートは案件全体の期間や工程を見るのに向き、カンバンはタスクの状態を直感的に確認するのに向いています。両方を使えると、管理者と現場メンバーが同じ案件データをそれぞれ見やすい形で確認できます。
2.予定工数と実績工数を管理できるか
制作案件では、期限どおりに進んでいても、予定以上の作業時間がかかっていることがあります。そのため、進捗だけでなく、予定工数と実績工数を比較できることも重要です。
工数を記録する目的は、単に作業時間を集計することではありません。予定に対して実績が増えているタスクを見つけることで、作業の難航や追加修正など、案件の問題に早めに気づく材料になります。
3.案件単位で予算やコストを確認できるか
プロジェクト管理と工数管理が別々になっていると、案件の進捗は分かっても、実際にどのくらいコストを使っているかが分かりにくくなります。
案件ごとの採算まで確認したい場合は、工数だけでなく、メンバーの単価や予算と組み合わせて確認できるかも選定ポイントになります。必要な範囲はチームによって異なるため、タスク管理だけで十分なのか、コスト管理まで必要なのかを先に決めておくと選びやすくなります。
4.複数の案件を横断して確認できるか
同時に複数案件を進める制作チームでは、案件を一つずつ開かないと状況が分からない状態では、PMの確認負荷が高くなります。
自分の担当タスク、メンバーごとの負荷、案件ごとの進捗などを横断して確認できると、どこを優先して見るべきか判断しやすくなります。
5.チームが無理なく更新を続けられるか
高機能なツールでも、入力や更新が複雑でチームに定着しなければ、正しいプロジェクト情報は集まりません。実際に使うメンバーがタスクの更新や工数入力を続けやすいかは、機能数と同じくらい重要です。
無料プランや無料トライアルがある場合は、管理者だけで確認するのではなく、実際に案件を担当するメンバーにも操作してもらうと判断しやすくなります。
プロジェクト管理ツールおすすめ5選
ここでは、プロジェクト管理で利用されている代表的なツールと、制作チーム向けのHotmieを比較します。機能や料金体系は変更されることがあるため、導入時は各サービスの公式情報も確認してください。
| ツール | 主な特徴 | 向いているケース |
|---|---|---|
| Hotmie | ガントチャート、カンバン、予定・実績工数、制作予算、案件レポート、AI案件リスク分析 | 制作進行と工数・案件コストをまとめて見たい制作チーム |
| Backlog | 課題管理、ガントチャート、カンバン、ドキュメント、Git・Subversionなどをまとめて利用 | タスク管理とチーム内コミュニケーションを幅広くまとめたいチーム |
| Asana | リスト、ボード、ガント、ポートフォリオ、ワークフロー、自動化など幅広い管理機能 | 部門横断で複数のプロジェクトやワークフローを柔軟に管理したいチーム |
| Jooto | シンプルなカンバンとガントチャートを中心に、タスクや複数プロジェクトを管理 | 操作の分かりやすさを重視してプロジェクト管理を始めたいチーム |
| Lychee Redmine | ガントチャートを中心に、リソース、工数、コスト、レポートなどをプランに応じて利用 | 工程やリソース、工数・コストまで詳細に管理したいチーム |
※比較内容は2026年8月時点の各サービス公式情報をもとに整理しています。利用できる機能はプランによって異なる場合があります。
Hotmie|制作進行と工数・案件コストをまとめて管理
Hotmieは、制作チーム向けのプロジェクト管理ツールです。ガントチャートやカンバンで案件を進行しながら、タスクごとの予定工数・実績工数、制作予算を同じ案件データの中で管理できます。
特徴は、案件の進行状況を見るだけでなく、工数超過や期限超過などの情報から、問題の兆候に早めに気づくことを重視している点です。AI案件リスク分析では、PMが確認すべき案件や理由を見つけやすくします。
Web制作会社、デザイン会社、映像制作会社など、複数の制作案件を並行して進めながら、案件ごとの工数やコストも確認したいチームに向いています。
Backlog|課題管理とチーム内の情報共有をまとめやすい
Backlogは、課題を中心にタスクやプロジェクトを管理するツールです。カンバン、ガントチャート、ドキュメント、ファイル共有などの機能があり、開発チームではGitやSubversionも同じサービス内で扱えます。
プロジェクトのタスク管理だけでなく、コメントやドキュメントを含めてチーム内の情報をまとめたい場合に選択肢になります。ガントチャートや予定時間・実績時間など、一部の機能は利用プランを確認して選ぶ必要があります。
Asana|複数プロジェクトやワークフローを柔軟に管理
Asanaは、リスト、ボード、カレンダー、ガントなど複数の表示方法を使いながら、タスクやプロジェクトを管理できるツールです。ポートフォリオや自動化など、複数チーム・複数プロジェクトの管理にも対応する機能があります。
プロジェクトの時間やコストを扱う機能も提供されていますが、利用プランやアドオンによって使える範囲が異なります。制作案件だけでなく、マーケティングや業務プロセスなど幅広いワークフローを一つの仕組みで管理したいチームに向いています。
Jooto|シンプルなカンバンとガントチャートで始めやすい
Jootoは、カンバン方式のタスク管理を中心に、ガントチャートでも進捗を確認できるプロジェクト管理ツールです。ドラッグ&ドロップを中心とした操作で、タスクの状態やスケジュールを視覚的に管理できます。
複数プロジェクトを横断してタスクやガントチャートを確認できる機能もあり、まずは分かりやすい操作でチームのタスク・進捗管理を始めたい場合に検討しやすいツールです。
Lychee Redmine|工程・リソース・工数・コストを詳しく管理
Lychee Redmineは、ガントチャートによる工程管理を中心に、カンバン、リソースマネジメント、工数、コスト、プロジェクトレポートなどをプランに応じて利用できるプロジェクト管理ツールです。
スケジュールだけでなく、担当者の負荷やプロジェクトのコストまで詳しく管理したい場合に向いています。必要な機能が多いチームでは、どのプランまで必要になるかを確認しながら比較するとよいでしょう。
制作チームでは「進捗だけで十分か」を最初に考える
プロジェクト管理ツールを比較するとき、最初はタスク管理やガントチャートに目が向きやすくなります。しかし、制作チームでは「案件が予定どおり進んでいるか」だけではなく、「予定より工数を使っていないか」「案件コストが増えていないか」まで確認したいケースがあります。
タスク管理だけで十分なチームであれば、シンプルで使いやすいツールを選ぶ方が運用しやすいこともあります。一方、案件数が増え、PMが進捗・工数・予算を別々の画面やExcelで確認している場合は、それらをつなげて見られるツールを検討する価値があります。
比較するときは、実際の案件を1つ入れて試す
機能一覧だけでは、自社の運用に合うか判断しにくいことがあります。無料トライアルが利用できる場合は、架空のデータではなく、実際に進行している案件を一つ登録して試すのがおすすめです。
- PMが案件全体の進捗をすぐ確認できるか
- メンバーが自分のタスクを迷わず確認できるか
- 日程変更やタスク更新を簡単に行えるか
- 予定工数と実績工数を無理なく入力できるか
- 複数案件を管理するときに確認作業が増えすぎないか
このあたりを実際の運用で確認すると、機能数だけでは分からない使いやすさが見えてきます。
まとめ:自社が管理したい範囲からプロジェクト管理ツールを選ぶ
プロジェクト管理ツールは、タスクの整理を中心にしたものから、ガントチャート、複数プロジェクト管理、工数・予算・コストまで扱えるものまでさまざまです。
制作チームでは、まず「タスクと進捗だけを管理したいのか」「工数まで見たいのか」「案件コストやリスクまで確認したいのか」を整理すると、必要なツールを絞りやすくなります。比較表だけで決めず、実際の案件を登録してチームで試したうえで選ぶことが大切です。