予定工数と実績工数は、案件が順調かを判断するための重要な情報です。期限どおりでも予定以上に工数を使っていれば、案件コストは増えています。工数管理を「記録」から「判断材料」へ変えることがポイントです。
- 予定工数・実績工数の基本
- プロジェクトで工数を管理する手順
- 工数データを見積もり・原価管理へ活用する方法
プロジェクトの工数管理とは
プロジェクトの工数管理は、案件やタスクに対して「どれくらい時間を使う予定か」と「実際にどれくらい使ったか」を記録・比較することです。単に作業時間を集計するだけではなく、見積もりや進行管理、原価管理の判断材料として使います。
予定工数と実績工数を分けて持つ
工数管理で最も重要なのは、予定と実績を分けることです。予定工数は作業前の基準、実績工数は作業後の結果です。この2つを比較することで、工数の使い方が想定内かどうかを判断できます。
予定がないまま実績だけを記録すると、8時間かかったことは分かっても、それが適正だったか判断できません。
タスク単位で工数を持つ理由
案件全体の工数だけを集計すると、どの工程で予定を超えたのか分かりません。デザイン、実装、確認、修正など、改善に使いたい単位までタスクを分けて工数を持つと、振り返りに活用できます。
ただし、数分単位の細かな作業まで分ける必要はありません。入力を続けられる粒度と、振り返りに使える粒度のバランスが重要です。
工数管理の基本手順
1.案件・タスクを作成する
まず案件を工程や作業単位のタスクに分けます。
2.予定工数を設定する
過去案件や見積もりを参考に、各タスクの予定工数を設定します。最初から高精度である必要はなく、実績との差を振り返りながら改善します。
3.担当者が実績工数を入力する
作業後に実績を入力します。まとめて月末に入力するより、日々の作業に近いタイミングで記録する方が正確になりやすくなります。
4.予定と実績の差が大きいタスクを確認する
すべての工数を同じように見るのではなく、予定超過、入力不足、特定工程への偏りなどを優先的に確認します。
危険サイン1:実績工数が予定工数を超えている
最も分かりやすいサインです。追加修正、見積もり不足、作業難航など、超過した理由を確認します。一つのタスクの小さな超過でも、案件全体で積み重なると原価へ影響します。
危険サイン2:進捗が進んでいないのに実績工数が増えている
ステータスは対応中のままなのに実績工数だけが増えている場合、仕様確認、修正、技術的な難航などで作業が停滞している可能性があります。期限を過ぎる前に確認したい状態です。
危険サイン3:開始後なのに実績工数が入っていない
作業が始まっているはずなのに実績工数がない場合、入力漏れか、実際に着手できていない可能性があります。どちらであっても、PMが案件の状態を正しく判断できないため確認が必要です。
工数データを次の見積もりへ使う
工数管理の価値は、現在の案件を見るだけではありません。案件終了後に、どの工程で予定との差が出たかを振り返ると、次回の見積もり精度を上げる材料になります。
同じ種類の案件でデザイン工程が毎回超過しているなら、予定工数そのものを見直すべきかもしれません。個人を評価するためではなく、見積もりと進行方法を改善するためにデータを使うことが重要です。
工数を原価・採算管理へつなげる
メンバーや職種ごとの工数単価を持たせると、予定工数・実績工数から案件の予定原価・実績原価を計算できます。これにより、工数超過を作業時間の問題だけでなく、案件コストの問題として見ることができます。
詳しくは、プロジェクトの原価・採算を管理する方法で解説しています。
Hotmieなら、工数と案件進行を同じタスクで確認できる
Hotmieでは、ガントチャートやカンバンで使うタスクに予定工数・実績工数を持たせます。工数を別の管理表に分けないため、期限やステータスと工数を同じ案件の情報として確認できます。
工数レポートでは担当者別の月次工数、案件レポートでは案件単位の予定・実績や担当者別の状況を確認できます。
まとめ:工数管理は予定との差を見つけ、次の判断に使う
プロジェクトの工数管理は、作業時間を記録して終わりではありません。予定と実績を比較し、超過した理由を確認し、現在の案件調整や次回の見積もりへつなげることが重要です。
入力負荷を増やしすぎず、案件管理のタスクと同じ流れで工数を記録できる状態を作ると、制作チームでも継続しやすくなります。